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イスラム武装勢力を刺激しない米軍の駐留方法(を勝手に考える) 【短評】

 加藤朗『テロ 現代暴力論 (中公新書)』によると、84年のベイルートからの米軍撤退は、テロが原因でしたが、このテロにはシリアの関与が疑われたそうです(36頁)。
 ベイルートから米軍が撤退して、やっと中近東から米軍は去った。しかし、アフガンにソ連軍がいた。ソ連軍は、米軍が支援していたムジャヒディンたちが、撤退させた。やっとソ連が撤退したと思ったら、今度は湾岸戦争後に米軍がサウジアラビアに駐留し始める。よりにもよって、聖地メッカとメディナを抱えるサウジに駐留する。
 どうやら、イスラームの武装勢力は、米軍が聖地のあるサウジに駐留することが、気に食わないようです。まあ、無理もないといえば、無理もありません。おそらく、武装勢力ならずとも、この事態に不満を抱く一般のムスリムはいるでしょう。
 ではどうしたらいいものか。勝手に解決方法を考えてみようではないですか。

 ①米国軍を米国国籍ではなく、名目上サウジアラビア軍にしてみる。
 隊員もいっそ国籍を、名義上サウジにしてしまうという離れ業もいいかもしれません。しかし、これだと、「偽装」という批判が出てしまいます。ならば、
 ②米国軍ではなく、多国籍軍を結集して、駐留する。
 米国帝国主義という批判はかわせるようになるでしょうが、今度は、「欧米列強の帝国主義」などとののしられる可能性もあります。他のイスラーム諸国を加えるという方法もあります。しかし米国以外の国に、この方法にメリットがあるかどうか。駐留しているのは、基本的には、米国の都合ですし。現状は難しいかも。じゃあ、
 ③サウジアラビア軍を、強化して米国の代わりにする。
 これならいい方法じゃないかと考えたのですが、欠点がいくつもあります。まず、サウジは、米国に同盟する一方で、イスラーム急進派に資金提供を行っていました(います)。この二面性が、曲者です。「味方であり、かつ潜在的な敵」という考えを、この方法だと、合衆国に一層もたらしてしまいます。それに、米国の軍事的ノウハウを、そう簡単に合衆国は渡さないでしょう。

 まあ武装勢力は、例え米国がサウジ駐留を止めても、今度はサウジと米国の間の同盟関係を問題にして、攻撃を加える可能性もあります。じゃあ、どうしたらいいのか。とりあえず、今回は、撤退の可能性だけ考えます。
 実のところ、米軍の駐留人数が、サウジより多いクウェートの方が問題です。また、「アメリカ軍が中東における軍事プレゼンスの軸足をクウェートやカタールに移したため、今日、キング・ハリド軍事都市におけるアメリカの駐留は最小限」なので、サウジからの米軍撤退は決して難しくない気もするのです。(注1)
 サウジから撤退しても、しかし、カタールとクウェートとバーレーンの軍事基地の問題は、残ります。
 問題は振り出しです。また今度考えます。


(注1) 「キング・ハリド軍事都市」 - Wikipediaより


 (追記) まあ、きちんとした方策としては、①米国は中東地域における中立的バランサーとして可能な限り振る舞うこと(石油問題もあるので困難ではありますが)、②その際イスラエルへの支援は中東情勢のバランスを崩さない程度にまで抑制すること、③アラブ世界の民衆と、イスラームの過激派武装勢力とを、分断させるよう政策を行うこと、以上三点です。こんな風に書くと、常識的で面白くないのですが。
 要するに、中東諸国に対して「分割して統治」する戦略が有効です。もちろん複雑な中東情勢には、それは困難なことではありますが、下手に介入するより、調整役として振る舞うのが吉です。米国に出来るかどうかは、不明ですけど。
 そのため、イスラエルに与する姿勢を控えて、中立者として振る舞うのがベターです。オバマ政権の姿勢はそれに近いものでしょうか。なにより、イスラームの過激派武装勢力を攻撃する際、中東諸国の民衆を刺激しないやり方が一番です。まあ、それが現状できていないから、イラクやアフガンが、今に至るまで安静を保っていないのでしょうが。①と②があっての、③です。要するに、困難です。


 2010/7/11 追記済

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