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消費税問題もいいけど、参院改革もね 加藤秀治郎『日本の選挙』を読む(1)

 またもや国会がねじれてしまったわけですが、さて、どうしましょう。もう消費税とか以前の問題です。
 そもそも、日本の議会制度自体おかしい、と思った方も多いのでは。確かに、改善すべきところ、山ほどあります。加藤秀治郎『日本の選挙 何を変えれば政治が変わるのか』をチェックしてみましょう。今回は、参議院について。

 まずおかしいのは、日本の「中選挙区制」が単記制であることです(6頁)。一人の名前しかかけません。そもそも、「中選挙区制」自体が、日本独自の用語なのですが。
 他国は、当選枠の人数分を、記入します。この場合は、3人区の場合、3人記入します。衆議院は小選挙区制になりましたが、参議院は、今でも一部、中選挙区です。(注1)よく考えたら、一人しか書けない、というのはおかしい話です。一人しか書けないことに、そもそも、疑問を持つべきでしたね。まずここを、変えましょう。

 選挙というのは、その区割りと人数割り当てが、当選の結果に大きく響きます。戦後初の選挙は、制限連記制でした。これは、選挙人が選挙区の定数よりも、少ない複数の票を投じる制度です。「1946年の第22回衆院選において、定数10以下の選挙区では2名連記、定数11以上の選挙区では3名連記といった制限連記制が行われていた」。
 この結果、女性が多く当選しています。男女で併記して書いたケースが多かったようです。また、東京一区では、鳩山一郎と野坂参三の連記票が相当数に上ったようです。釣り合いを取ろうとした投票者が、左右の大物の名前を書いたというわけです。なるほど。

 もともと、中選挙区制度は、その特性上、同じ政党(例えば、自民党)から複数候補者が出る場合、政策だけじゃ争えないので、カネでのサービス合戦となります。そのため、派閥がそのバックとして存在する「理由」があったわけです。これが、自民党の派閥の存在が大きかった理由の一つです。一方、この中選挙区制度は、少数政党にもメリットがあって、先ほどの理由で大政党内部で票が割れてしまうため、少数政党にも議席が生じるチャンスがありました。実際、衆議院の場合、公明党は中選挙区時代に比べて、小選挙区制度になると票を落としたりしています。

 ねじれ国会を産む元凶は、参議院の不必要なまでの強大さにあります。この参議院の強さは、調整的に弱体化させるべきでしょう。出来ないというなら、米国のように、党議拘束をはずす以外ありません。各党の党議拘束をはずして、行政府が参議院の議員を説得工作をできるように法改正するしかないのです。そこまでやる気、自民党にも民主党にも、あるのでしょうか。(党議拘束の問題は、次々回扱う予定です。)
 究極的には憲法改正なのですが、それでも難しい場合は、憲法枠内で、何とかするしかありません。両院協議会などの調整機関で、衆議院の議決を優先する内規を作る、などです。(たしか、飯尾先生も『日本の統治構造』でそのようなアイデアに言及されていたような。)。
 著者は、「参議院には国論が分裂する問題について、時間をおいて慎重に審議させたり、少数意見を聞いて法案を修正したりするといった機能を発揮させる方がよい」といいます(197頁)。まさしく、これこそが「良識の府」ではありませんか。首肯します。(注2)「時間をおいて慎重に審議させたり、少数意見を聞いて法案を修正したり」することを重視するなら、比例選挙制の方が、参議院にはあっています。その観点からすれば、間違っても、一人区なぞ不要です。まずはさっさと廃止すべきです。
 詳細な理由については次回お話しましょう。


(注1)日本の選挙制度は、各々整合性が取れていません。バリエーションが無駄にありすぎです。衆議院の場合、小選挙区制と比例代表制の混ぜ合わせ、参議院の場合、小選挙区制と中選挙区制と比例代表制の混ぜあわせ、地方選挙は中選挙区制、というグロい制度です。何とかして欲しいですな。

(注2) 上久保誠人は次のように書いています(「参議院は不要ではない! 与党の一院制導入論に反対する 」『DIAMOND ONLINE』様)。

「参院で否決した法案は、衆院の過半数の賛成で法案成立」として衆院の優越を明確に規定すべきと考える。その代わり、参院には英国・貴族院のような長い審議時間を与える。日本の国会会期は諸外国と比べて短すぎる(日本の通常国会の会期150日に対し、英国は11月から1年間の会期。ドイツは会期という概念そのものがなく、1年中いつでも国会を開ける)。これは、日本の国会で「審議拒否」「強行採決」が頻発する原因となっている。

 これで決まりですね。

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